
[前編]古民家をこどもたちの笑顔があふれる居場所へ「放課後等デイサービスasoviva」の挑戦
そこで、活用希望者として手を上げたのが、(株)アソビバの田島さん。改修を経て2024年4月に「放課後等デイサービスasoviva」※1としてオープンしました。
建物は築100年以上の古民家で、空き店舗だったものをリノベーションして施設に生まれ変わりました。
田島さんは桐生市の出身で、もともとは訪問美容師として、介護施設や障がい者支援施設、病院、在宅などを訪問し施術を行う会社に勤務していました。
その後、桐生市内の介護施設に入社し、介護保険外の事業立ち上げに携わりました。
そのような中で、「福祉事業を自分でやってみたい」という気持ちが芽生え、2018年に独立しました。
当初はみどり市大間々にテナントを借りて放課後等デイサービスを運営しておりましたが、2020年に大間々から桐生市仲町へ移転し、軽度の障害のある児童を対象とした児童発達支援事業所※2を開設しました。当時、桐生市には児童発達支援事業所が一軒もなく、民間事業者での開設は田島さんが初めてだったそうです。
その後、2023年8月にみどり市笠懸で軽度の障害のある児童を対象とした放課後等デイサービスを開設しました。この施設はもともと別の経営者が運営していましたが、夜逃げにより経営者がいなくなってしまい、その際に、施設の職員から「助けてほしい」という声が寄せられたため、事業を引き継ぐことを決意しました。当時、利用者が3人ほどいたため、彼らを路頭に迷わせるわけにはいかないという思いがあったそうです。
そして2024年4月には、桐生市本町の古民家を活用し、重度の障がいのある児童を対象とした「放課後等デイサービスasoviva」を開設しました。
これにより、桐生市仲町の児童発達支援事業所(軽度の障がい)、みどり市笠懸の放課後等デイサービス(軽度の障がい)、桐生市本町の放課後等デイサービス(重度の障がい)の3つの事業所で、障がいのあるこどもへのサポートをほぼ網羅できる体制が整い、相談を受けた際にも柔軟かつ幅広く対応できるようになっています。

(株)アソビバの会社の理念について伺いました。
僕の中で大切にしている理念は、障がいのあるこどもたちの「圧倒的な社会参加」です。
みどり市大間々の放課後等デイサービスは大通りに面した路面店に開設し、桐生市仲町の児童発達支援事業所は小学校が近く人口の多いエリアに開設、桐生市本町の放課後等デイサービスは桐生祭りの開催される本町通りに面して開設しました。
みどり市笠懸の放課後等デイサービスは後から引き継いだ形ですが、基本的に、人の目に触れやすい場所を意識して施設を開設しています。(田島さん)
その理由は、障がいのあるこどもたちが社会参加しやすくするという観点もありますが、そもそも「障がいのあるこどもたちがいてこそ社会である」ということを、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いからです。
皆さんが普段生活する上で、障がいを持つ方に接する機会はなかなかないかと思いますが、「健常者」、「障がい者」、「児童」、「障がい児」すべての人がいて、社会は成り立っていると思います。
だからこそ、街の奥まった場所や山の中などに隠れて施設を開設する必要は全くないと思い、あえて路面店や人口の多い場所に施設を開設しています。(田島さん)

桐生市本町の「放課後等デイサービスasoviva」は、重度の障がいがあるこどもを対象とした施設であり、生活能力の向上に必要な支援や、社会との交流の機会を提供しています。
1回の定員は5名で、毎日利用する子もいれば、週2回程度の利用の子もいます。
対象年齢は6歳から18歳までで、高校生・中学生・小学生がバランスよく登録していますが、最も多いのは小学生です。
学校の放課後や休業日に、夕方5時までお預かりしており、学校や自宅への送迎も行っています。
「圧倒的な社会参加」という理念のもとで施設運営をしているため、この思いに共感した親御さんからこどもを預かることが多く、利用者の多くは活動的なこどもたちです。
室内活動では、こどもたち1人ひとりにスタッフがついて、自由遊びや日常動作訓練等の見守りやサポートを行っています。
また、最先端の器具を導入することで、「立つ」「歩く」「ジャンプする」といった動作を体験し、身体の動きを学ぶ機会を提供しています。
さらに、理学療法士によるリハビリも併せて実施しています。
外出活動では、公園での遊びやお買い物学習など、社会参加の練習を目的とした活動を行っています。
小学生から高校生までが一緒に活動しますが、スタッフがしっかり見守ることで、こどもたちが安全に過ごせる環境を整えています。
また、障がいのあるこどもを預かることで、家族のレスパイト(休息)の確保や、健常な兄弟姉妹が親と過ごせる時間をつくるなど、家族全体の負担軽減にも取り組んでいます。

私たちが施設を見学した際、こどもたちは室内活動の最中でした。
みな笑顔にあふれ、元気いっぱいに活動している様子が印象的でした。
その姿を温かく見守るスタッフの表情もまた、穏やかで優しさに満ちていました。
記事後編は、建物の改修を中心にお話を伺います。
※1放課後等デイサービスは、就学している障がい(身体、知的、精神)のある児童を対象とした児童福祉法に基づく通所施設であり、生活能力の向上に必要な支援や社会との交流の機会などを提供する施設です。
※2児童発達支援事業所は、未就学の障がいのある児童(身体・知的・精神)を対象とした、児童福祉法に基づく通所施設であり、日常生活における基本的な動作や知識・技能の習得、集団生活への適応を支援するサービスを提供する施設です。
Contact お問い合わせ
古民家を所有している方
空き古民家、どうしよう。古民家の処分(売却、賃貸借)てどうすればいいの?
古民家を活用したい方
古民家を活用してみたいけど、購入?賃貸?どちらがいい?
民間事業者の方
行政、まちづくり会社、不動産会社、設計事務所、工務店、移住コーディネーター等。
コミンカコナイカ事業にチームメンバーとして参画しませんか?